「来るな。寄るな。触るな。星に帰れ」


「やだなー、。そんなにボクに会いたかったのかい？」


「いや、ホントまじで星に帰って下さい」


「冗談だよ◆」










『冗談だよ◆』じゃ、ねえよこの野郎。




何で何で何で何で何で！

な　ん　で　！

何でこんな事にっ。



私はただ寝てただけの筈。

そうだ、会場の入り口で会ったのは豆。

そう、豆の妖精さんに会って受験番号札貰ったんだ。

きっとあのマーメンとか言う人の生まれは農家だよ。

だって名前まで豆だもん、うん。

因みに名前は、あのクソジジイから貰ったありがた迷惑の推薦状に書いてあった。

《試験補助のマーメンから受験番号札を貰え》ってね。



で、一番に来たから暇だから寝ようとか思って壁に寄りかかって寝ました。


はい、そこまではオーケー。

で、問題は次だ次。起きた瞬間だよ。



目　の　前　に　ヒ　ソ　カ　。


わあお、吃驚★


軽く半径五メートルは距離とったよ。










「っていうか、私は今""なの。そこんとこよーく覚えておいてくれる？」


「はいはい★」










本当に解ってんのか、こいつ。

Eine beginnende Linie
スタートライン

とりあえずヒソカから離れた。

もう部屋の端と端くらいの距離まで離れました。

あー、もう。ヒソカのせいで目覚めちゃったじゃん。

安眠妨害だ安眠妨害。

大体、あいつが殺気なんか出すから、反射的に起きちゃったんじゃん。

訴えてやる、マチに。










「仕事、はー……まだそんなに溜まってないだろうしなー…」










試験始まるまで何しようか。

先ず、ヒソカと戯れるのは論外でしょ、うん。

あいつ目立つもん。

地球外生物のオーラ放ってるからね。

もう既に目立ってるもん。

あれ？


もしかしてヒソカと話してた私も目立ってる？


まさか、まさかね。

ヒソカに向けられてる変人を見る様な視線を私も浴びるなんて、絶対に嫌。










「他の受験生達の名前と顔くらいは覚えておこうかなー」










うん、そうしよう。

予選を通過した受験生の顔と名前くらい、ハンター協会のサイトに侵入しちゃえば楽に見れちゃうしね。

ま、協会のサイトに侵入するまでが一苦労だったんだけど。










「今じゃ慣れたものよね、っと」










持ってきてた手持ち鞄からパソコンを出して電源をつける。

伊達に情報屋として働いてないよ。










「さて、と。どんな人達が通過してるのかなー」










えーと……へー、何この人。これが俗に言う"ニンジャ"ってやつかな？

あれ？ニンジャってハゲだっけ？

私が本で見たニンジャは頭に布みたいなの巻いてたけどなー。

ま、いっか。ニンジャにも色々あるんだろうし。


うわー、凄っ。

名前そっくり兄弟だ。

アモリ、イモリ、ウモリだってー。

あっはっはっはっ。

ないな。


よし次。

うーん、やっぱり女の子は少ないなー。

あ、このポンズって子、年近そう。










「あ、れ？」










"キルア=ゾルディック"？

ゾルディックって、あのゾルディック？

キルアって聞いた事あるような…。

………………ああ、そうだ。キキョウさんがやけに自慢してたイルミの弟くんだ。

思えば私ゾル家の中でキルアにだけ会った事ないなー。

来たら話掛けてみよっかなー。










「は？」










"ゴン=フリークス"？

ちょちょちょちょちょちょっと待て。

フリークスって、え、何、ジン？

ジン、の、息子！？

うっわ、そっくり。

何だこのそっくりさんは。

って、息子だから当然って言えば当然か。

この子とも話してみたいなー。










「……あー、うん…」










はいはい、ヒソカね。

ヒソカはもういいよ。もう会っちゃったもん。知っても意味ないよ。

あいつに会う前にこの情報が私の中にあったら、即行試験受けるの辞めてたね。

もうちょっと早くこの情報得るべきだった。


はい、次ー。










「…………………」




























パタン...（←パソコン閉じる音





























見　ち　ゃ　い　け　な　か　っ　た　★






いや、うん、あのね？

私の知ってる名前があったのよ。

うん、何かね、"イルミ=ゾルディック"っていう名前があったのよ。

でも、ね、うん。

あれだ。


顔に針が刺さってたんだな、これが★


まあ確かにイルミの念能力で可能な事なんだけどさ。

よく仕事の時とか化けてるけどさ。

あれはないよ、イルミ。

ものすっごく気持ち悪い。










「っていうか、まだ始まらないの？」










私がさっきヒソカからもうスピードで離れた時にチラッと見たけど300桁の数字の札着けてる人居たんだけど。

結構私寝てたよね？

ん？そういえばヒソカの番号札に"４４"って書いてあったっけ？

っていう事は、あいつかなり前から此処に来てたよね？

………………。










「………最悪…」










絶対寝顔見られた。

だってこの会場なら四十四人くらいの人間がいてもまだまだスペースあるもん。

それくらいの人数だったら直に私なんて見つかるわけで。

あいつなら一般人よりも早く見つけると思うわけよ。

って事はだよ？


絶対に寝顔見られた（二回目


寝顔見てから殺気放ちやがったな、あいつ。

絶対訴える。

しつこいようだけど、マチに。












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08.04.04 修正完了